公開日:2024年2月26日/最終更新日:2024年7月31日
授業概要・授業計画
科目名 |
デザインスタジオ(Ⅱ) ※実務経験のある教員による授業科目(実習) |
担当者 |
加藤哲也 |
科 |
建築デザイン科 |
学年 |
2学年 |
受講期間 |
前期 |
単位 |
2 |
授業時数 |
60 |
教科書 |
なし |
参考書 |
なし |
到達目標 |
これからの家についてのイメージをふくらませ、具体的に表現する。 |
講義内容 |
住宅の設計を行なっていく上でのテーマを4つ設定、「自然」「必要」「寸法」「形」。この4つのテーマ(即日課題)に触れたあと、各自住宅の設計に取り組む。 |
評価方法 |
各授業の成果の積み重ねによる評価 |
受講者の皆さんへ:
コンベックスをいつも持ち歩き、図面に記した寸法を体験してみること。
第1回 |
内容 |
即日設計01
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詳細 |
自然の要素を意識しながらの計画
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報告 |
「自然」の要素は季節、太陽、風に絞る。これに具体的な条件(家族構成、スケルトン状態の平面図、断面図)を加えたものを下敷きとし、その上に家具・什器等の配置を考えることで、各自の思う間取りを考え出してもらった。条件をすべて頭の中に入れて案を考えることはむずかしいことだということを実感していた様子。最後に下敷きとした図面の作者の描いた家具を含めた図面を見せることで、この時間の作業内容により具体性が加わったと思う。 |
第2回 |
内容 |
即日設計02
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詳細 |
生活に必要なものを絞り込みながらの空間設計
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報告 |
生活していく上で何が「必要」か?山荘という用途、夏の1ヶ月だけそこで暮らすという設定。必要の対象を絞り込める条件とし、各自がそこで暮らすという自身をクライアントの立場に置き、その場所に必要なものを絞り込んだ家を考える。この課題も下敷きとした案があり、最後にその建築家が考えた「必要」を体感してもらえたならば成功。 |
第3回 |
内容 |
即日設計03
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詳細 |
身体の寸法(静・動)を意識しながらコンパクトな生活空間を設計する
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報告 |
眠る、食べる、排泄・入浴、その他、これら4つの行為に伴う寸法を意識しながらの間取りを計画する。建築家が考えたコンパクトな平家住宅を下敷きにして考える。各自が作成した案と建築家の案とを見比べて何かを感じてもらえれば成功。 |
第4回 |
内容 |
即日設計04
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詳細 |
間取りから形(屋根)を導く、日差しのこと、雨のことを思いながら |
報告 |
屋根の形と雨漏りの関係を考察したあとに、ある建築家の設計した平面図を下敷きとして、そこに屋根伏図を重ねてもらう。下敷きとした建物の屋根は雨漏りの考察に対して挑戦するかのような掛け方をしている。学生にはそのことは伝えずに考えてもらう。前3回の講義も同様。下敷きにした建築は1回目が白の家(篠原一男)、2回目が山川山荘(山本理顕)、3回目が御蔵山の家(吉村順三)、4回目が軽井沢夏の家(アントニン・レーモンド) |
第5回 |
内容 |
わたしの家
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詳細 |
設計条件を考える、そしてクライアントをみつける
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報告 |
今日から15回目までは、住宅設計の課題が通しで続く。その1回目は計画のイメージづくり。敷地図、周辺の航空写真、家族構成(学生各自で設定)をもとにどんな家が思い浮かぶのか、そのきっかけを掴むための準備運動。イメージを抱くことができた学生もそうでない学生も、その思ったことを手がかりに参考になりそうな資料を見つけるために図書室へ。そこでできるだけたくさんの家々に触れてもらって、その中からこんな住宅を考えてみたいなというモデルを見つけられた人はラッキー。さいごに来週のことを少し話して授業を終えた。 |
第6回 |
内容 |
課題:あなたの家01 |
詳細 |
エスキース模型 1日目 |
報告 |
模型で考える。平面上のスケッチではなく家具などのボリューム(立体)を配しながら敷地のどこにどんな居場所を設けるかを立体的に考えていく。 |
第7回 |
内容 |
課題:あなたの家02 |
詳細 |
エスキース模型 2日目
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報告 |
エスキース模型、時間内につくり「クラスルーム」を利用して写真提出。提出をもって本日の授業に出席とする。紙の上でのエスキースではなく立体的なエスキース。紙上よりも具体的に考えることができていると感じる。そしてなによりも紙上よりしっかり形になっている。ここから紙の上に戻っていくのだが…ここからがほんとのスタートです。 |
第8回 |
内容 |
課題:あなたの家03 |
詳細 |
配置図と平面図を起こす
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報告 |
エスキース模型で立体的にイメージした建物を平面的に図にする。3次元で考えたものを2次元で表現。伝達媒体が紙であることを前提とした表現方法。この方法が今後も続いていくのかどうかは疑問だが、現状はまだ必要な能力。この授業ではディテールの表現力は求めず、立体でイメージしたものを平面に還元し、その平面から再び住宅模型へと昇華させる、その平面化の初日。これは脳と指先のトレーニング、思ったこと・考えたことを具体化しひとつのかたちにするための… |
第9回 |
内容 |
課題:あなたの家04 |
詳細 |
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報告 |
ラフなスケッチ平面から通り心を設定し、寸法を具体化し、配置図・平面図へと仕上げていく。今日で平面図の作図作業は終了予定だったが作業終了した学生は数人、次週へとずれ込む。 |
第10回 |
内容 |
課題:あなたの家05 |
詳細 |
屋根伏図を起こす |
報告 |
屋根伏図が今日のテーマではありますが、配置図・平面図・屋根伏図・断面図と各学生により進行度は異なる。基本図をそろえれば1/100程度の模型ならば作成することができる、1/100程度の模型をつくるならば今回描いている基本図程度はそろえる必要がある、ということ。そしてその基本図への向き合い方が各学生ごとの線の中に表れている。来週は課外授業、計画している空間の大きさを実感してもらうような課題を提示する。 |
第11回 |
内容 |
課題:あなたの家06 |
詳細 |
断面図と立面図を起こす |
報告 |
18名断面図作図中、8名屋根伏図作図中、6名配置図・平面図作図中、1名立面図作業中、課外授業における課題の提出者27名未提出者は次週に提出 |
第12回 |
内容 |
課題:あなたの家07 |
詳細 |
断面図と立面図を起こす |
報告 |
作業の進行具合に個人差が出ているので、ゴール設定を三段階に分けようと思う。プレゼン資料作りまでをゴールとする人。模型製作までをゴールとする人。図面を揃えるところまでをゴールとする人。予定通り今日で前図面を描き終え、来週から模型製作に入る学生は3名。課外授業における課題の提出者は32名、未提出は1名。 |
第13回 |
内容 |
課題:あなたの家08 |
詳細 |
模型製作 1日目 |
報告 |
成果品を3つのタイプに分けることにした。それぞれの進行度に合わせて到達目標を選択できるようにする。それによってゴールが身近に感じてきたのか作業への集中力がきょうはなかなかに高まっていた。 |
第14回 |
内容 |
課題:あなたの家09
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詳細 |
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報告 |
学生ひとりひとり、集中の持続力の限界に挑戦するかのように作業に取り組んでいた。課題の進行度に個人差が出るような場合はある段階にきたときにゴールをいくつか設定するのは有効かもしれない。 |
第15回 |
内容 |
課題:あなたの家10
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詳細 |
課題提出
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報告 |
提出物は図面(配置図・平面図・屋根伏図・断面図・立面図)と模型写真をA3サイズ(よこ)のの用紙の中にまとめる。表紙をつけることを前提とし、表紙はタイトル・設計主旨・模型写真は必ず含む。表紙を一番上におき、左上をホッキキス留としたものを提出する。これと模型(1/100)である。ゴール設定を3段階としたことは前に記したが、3段階をAコース、Bコース、Cコースと呼ぶとするとAコースは上記の必要図面等をすべて完成させていること。Bコースは表紙抜き、表紙をつくるところ(設計主旨を記すところ)までは力尽きてたどりつけなかった学生、Cコースは図面と模型で手一杯、模型写真も撮れなかった学生。設計主旨の内容の向上と表現力を高めることが課題として残った。 |